[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : そうしてスタスタと、暗闇の廊下を歩いていると……。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 『懲役監』と書かれた扉が。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : この部屋は、要は……。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 「……監獄、か」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 眉を顰めながら、そう呟いていると。
[メイン2] 夢見 心地 : 「監獄って事は…ここにいたりして?」
[メイン2]
夢見 心地 :
特に躊躇もせずドアを開ける
鍵掛ってる?
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
「うおっ……!?夢見!」
ビクゥッ、と体が跳ね上がる。
[メイン2] GM : 開いてますね
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : そして、夢見の開けたドアの先を見つめ。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 「……ヘッ、随分と、怖いもの知らずな記者さんって感じだな、夢見」
[メイン2] 夢見 心地 : 「……まあね」
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
なるほど、な。志願するだけあるってこった。
うちの組にも、ここまで肝っ玉の据わった奴はいなかった。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 「ここまで全動作、"慣れた"動きだったな」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 自分よりも遥かに小さな女、夢見へ赤の瞳をちらりと向けながらも。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 一緒に、扉の向こう側へと進んで行く。
[メイン2] 夢見 心地 : 「……あれ?バレてた?」
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
「ヘヘ、アタシの嗅覚舐めんなよー?」
ニヤリと笑いながら。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : そして、部屋を見渡す。
[メイン2]
礎 巴月 :
部屋の中には、少女が一人つまらなそうに座っている。
それは写真と同じ美しい少女、礎 巴月だった。
[メイン2] 夢見 心地 : 流石にその道で生きてるだけはある…侮れないネ
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 「………おっとぉ」
[メイン2] 夢見 心地 : 「あっ、いたいた」
[メイン2] 夢見 心地 : 「お~い」手を振る
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 夢見の言葉に頷き、少女のもとへゆっくり、夢見と共に歩いて行く。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 虎子も、ひらりと手を振る。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 「……あー、アレだ、怪我とか、無いか?」
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
ポッケに手を突っ込みながらも、自分の強面で少女を
怖がらせてしまわないかどうか、少し不安に
……ほーんの少しだけ!不安になりながら。
[メイン2] 礎 巴月 : 彼女は探索者たちの方を見るとニッコリとかわいらしい顔で笑うと
[メイン2] 礎 巴月 : 「遅かったね。待ちくたびれちゃった」
[メイン2] 礎 巴月 : 「怪我?大丈夫だよ」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 「……おいおい、夢見の次はなんだ?嬢ちゃんまで肝っ玉据わってるのかよ」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : へらへらと笑いながら、手を差し伸べる。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 立てるか?と小首を傾げる。
[メイン2] 夢見 心地 : 「遅かったなんて無茶言わないでよ~、これ以上早くするなんてシステム的に無理だよ」
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
……システム、システム?
なんのこっちゃ。
[メイン2] 礎 巴月 : 2人の姿を確認すると
[メイン2] 礎 巴月 : 「他の3人はいないの?」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 「……………!」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : つぅ、と冷や汗が伝う。
[メイン2] 夢見 心地 : 「……あれっ?なんでそのこと知ってるの?」
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
「……へ、へへへ、なんだい嬢ちゃん……今話題の、あれか?
メンタリストってやつかい?」
[メイン2]
礎 巴月 :
「ふふふ。なんでだろうね」
いたずらっぽく笑みを見せる。
[メイン2]
夢見 心地 :
「え~ずるっこだ~」
「おせーて!おせーてよ!」
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
なんつーか、不思議な女の子だな……。
今時の子は、大人びてるって聞くが、確かにその通りって感じだな。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : こっちの成人女性は子どもじみてるのにな!身長含めて
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
ちらりと、赤の瞳を夢見に向けながらも
再び、少女へと戻し。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 「まぁ夢見、詳しい話は後にしよう」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 「ここは、誘拐犯のアジトだ、そんなゆっくりはしてられないだろ?」
[メイン2] 夢見 心地 : 「そうだった、今そんなこと言ってる場合じゃないや」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : ああ、利口だ。と頷く。
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
「そんじゃ礎、アタシは龍造寺 虎子っていうんだ
アンタの身は、アタシが保障するぜ」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : ヨロシクぅ!と人差し指と親指を立てる。
[メイン2] 夢見 心地 : 「私は夢見心地だよ、よろしく」
[メイン2] 礎 巴月 : 「私のことは知ってるだろうけど、礎 巴月だよ。よろしく」
[メイン2]
夢見 心地 :
「それじゃあ皆待ってるし、早くここ出よ?」
巴月に手を差し伸べる
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
「礎も知ってるみてーだが、仲間が待ってるんだ
……さっき廊下で、鈍い音がしたが……悲鳴はあがってねぇ
おそらくは、中井がなんとかしたんだろうな」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : ドアの外の廊下を見つめながら。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 「アタシとしても長居はしたくねーしな、行こうぜ嬢ちゃん」
[メイン2] 礎 巴月 : 差し出された心地の手を取る。
[メイン2] 礎 巴月 : 「あ~殴ったみたいだね。暴力的だ」
[メイン2] 礎 巴月 : 「うん。行こう行こう」
[メイン2]
夢見 心地 :
「……へっ?何を…?」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : ……千里眼か?はは、まっさかなぁ。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : そう思いながらも、3人は仲間のもとへと足早に向かって行った。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
[メイン2]
夢見 心地 :
巴月の部屋に入る
そう、こっちで!
[メイン2]
GM :
こっそり巴月の部屋にはいると
「友達の作り方」「マイフレンドフォーエバー」
などの本やDVDがたくさんある。
[メイン2] 夢見 心地 : 「よ~しまだこっちは見られてない…今の内に見れるもの見ないとね」
[メイン2] 夢見 心地 : (友達の作り方とマイフレンドフォーエバー…)
[メイン2] 夢見 心地 : 一通り目を通して他になさそうなのでそっと戻す
[メイン2] 久語ぬくみ : ガチャ
[メイン2]
夢見 心地 :
!
誰か来る!
[メイン2] 夢見 心地 : CCB<=60 隠れるは振っておくか… (1D100<=60) > 91 > 失敗
[メイン2] 夢見 心地 : しまった隠れる場所が無い
[メイン2]
久語ぬくみ :
「お邪魔しま~す」
なんとなく小声でいいながら。
ゆっくりとドアが開いていく。
[メイン2] 久語ぬくみ : さて、ドアの先の光景は──?
[メイン2] 夢見 心地 : 「あっ……」
[メイン2] 久語ぬくみ : 「あら?」
[メイン2] 夢見 心地 : 「……」
[メイン2] 夢見 心地 : 「あっそっか資料室あっちか」
[メイン2] 夢見 心地 : 「じゃあ失礼しま~す……」ソロリソロリ
[メイン2] 久語ぬくみ : 「❓」
[メイン2] 久語ぬくみ : なんだか急いでるみたいだけど。
[メイン2] 久語ぬくみ : 「なにしてたの、心地お姉さん!」
[メイン2] 夢見 心地 : ビクッ!
[メイン2] 久語ぬくみ : 「どうかした?」
[メイン2] 久語ぬくみ : 「具合悪いの?」
[メイン2] 久語ぬくみ : 「ねえ、ねえ!」
[メイン2] 夢見 心地 : 「え?い…いやなんでも…」アセアセ…
[メイン2] 久語ぬくみ : 「あれ?」
[メイン2] 久語ぬくみ : 「でも、なんで心地お姉さんが巴月ちゃんのお部屋に……?」
[メイン2] 夢見 心地 : マズい…マズいぞ…何とか本人にばれない様にメイン2に移ったのにこれじゃあ…
[メイン2] 久語ぬくみ : 「❕」
[メイン2] 久語ぬくみ : 「心地お姉さんも巴月ちゃんにお願いしたの?」
[メイン2] 久語ぬくみ : 「お部屋見たいって。心地お姉さんも巴月ちゃんと仲良くしてたもんね!」
[メイン2]
夢見 心地 :
「……へっ?」
お願い?
[メイン2] 久語ぬくみ : 「巴月ちゃん、優しいわよね!恥ずかしそうにしてたのに、お願いしたら見せてくれるって言ってくれて……!」
[メイン2]
夢見 心地 :
「あ~うん…そうそうそう!そういう事!」
よし!何か納得してくれている!これなら多分いけそうだ!
[メイン2] 久語ぬくみ : 「そうだ!あとで、わたしとお姉さんで一緒に、巴月ちゃんとお部屋で見つけたものについていろいろお話しましょうよ!」
[メイン2]
夢見 心地 :
「ハハハ!ああそうだね…んん!!?」
話す!?!?!?ここに居た事を!?
[メイン2]
久語ぬくみ :
「三人でおしゃべり……ふふふ、楽しそう!」
頬に手を当てて。楽しみだな!
[メイン2]
久語ぬくみ :
「あれ……心地お姉さん、やっぱり体調悪い?」
顔を覗き込むように。
[メイン2]
夢見 心地 :
「……ああ…い…いや…」
マズい!俄然ピンチだ!どうする!?
[メイン2] 久語ぬくみ : じーーーーーーー
[メイン2] 夢見 心地 : 目玉がぐるぐる…
[メイン2] 久語ぬくみ : じぃ~~~~~~~
[メイン2] 夢見 心地 : 「ぐっ……ぎぎっ……」
[メイン2] 夢見 心地 : 「……嘘だ」
[メイン2]
久語ぬくみ :
❓
唐突な言葉に、首を傾げる。
[メイン2] 夢見 心地 : 「見たかった…どうしても…何か見ちゃダメって言われると余計…」
[メイン2] 夢見 心地 : 「だから…」
[メイン2] 夢見 心地 : 「こっちのタブでこっそりやればワンチャン見つからないんじゃないかなって…」
[メイン2]
久語ぬくみ :
「そっか……」
タブ?とか難しい言葉は…バレないようにやったってことだね。
[メイン2]
久語ぬくみ :
「ね、虎子お姉さんが言ってたよ。本当のお友達って、ダメなところも分かり合えるんだって」
力をなくした様子の心地お姉さんをまっすぐに見ながら。
[メイン2] 夢見 心地 : 「ぬくみちゃん…」
[メイン2]
久語ぬくみ :
「ウソをついたのも、勝手にお部屋に入ったのも、いけないことだけど……
大丈夫!ウソはわたしが許すし。巴月ちゃんもきっとちゃんと謝れば許してくれるわ!」
[メイン2] 夢見 心地 : (……あれ?)
[メイン2] 夢見 心地 : (天使が目の前にいる…?)
[メイン2]
久語ぬくみ :
「だから……ね。謝るならわたしもいっしょに行ってあげるわ!」
「そして、楽しくお話ししましょ!」
[メイン2] 夢見 心地 : 「あ……ああ…」
[メイン2] 夢見 心地 : 「ありがとう……」
[メイン2] 久語ぬくみ : 「えへへ、わたし嬉しいのよ!勝手に入っちゃうくらい、心地お姉さんも巴月ちゃんこと大好きなんでしょ!」
[メイン2] 夢見 心地 : 純粋無垢な彼女を見て、心地の心も浄化されていった
[メイン2] 夢見 心地 : 少し
[メイン2]
夢見 心地 :
何か気づけば涙が出てきた
余りにも純粋なもの見るとなけてくるんだネ…
[メイン2]
久語ぬくみ :
「えっあっえっ」
な、泣いちゃった……なんで?
[メイン2] 夢見 心地 : 「……ぬくみちゃん」
[メイン2] 夢見 心地 : 「アンタは私みたいになるんじゃないよ…」
[メイン2] 夢見 心地 : この子にはいつまでも純粋でいて欲しい、そう思った
[メイン2]
久語ぬくみ :
「❓❓❓」
あたふたとしつつも。
[メイン2]
久語ぬくみ :
「心地お姉さんって、大切なときにビシっ!ってしてるから……」
えーとえーと
だから?心地お姉さんみたいが?
[メイン2] 久語ぬくみ : 「とってもすてきだと思うから!心地お姉さんみたいになれたら嬉しいわ!」
[メイン2] 夢見 心地 : 「……!!!」
[メイン2] 夢見 心地 : 何て綺麗な目を向けてくるのこの子…!!!
[メイン2] 久語ぬくみ : 「だ、だから……泣かないで。ねっ」
[メイン2] 夢見 心地 : 「うん……!うん……!」
[メイン2] 夢見 心地 : 夢見の心に、強い感情が沸き上がる
[メイン2] 夢見 心地 : それは、純粋無垢な物に対するある種の…
[メイン2] 夢見 心地 : 久語ぬくみ ○忠誠/-
[メイン2] 夢見 心地 : ありがとう…本当に…
[メイン2] 夢見 心地 : それしか言葉が見つからない…
[メイン2] 夢見 心地 :
[メイン2] 久語ぬくみ : そして──
[メイン2]
久語ぬくみ :
「『マイフレンドフォーエバー』……」
ぺらぺらとページをめくる。
[メイン2] 久語ぬくみ : 「…………!!!!」
[メイン2]
久語ぬくみ :
「う、うふふふ!うふふふふふ!」
は、巴月ちゃん……かわいい……!!
[メイン2]
久語ぬくみ :
やりとりの後、ぬくみも2冊の本を見た。
にやにやした。
[メイン2]
久語ぬくみ :
[メイン2] 夢見 心地 : 58+1d10 登場/リザレクト (58+1D10) > 58+2[2] > 60
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : ─────オカルト専門・柳探事務所。
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
そんなわけで、ひっそりと人類滅亡の危機は解決され
人々の平穏な世界の、時計の針は、今日もゆっくりと刻まれる。
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
探偵事務所には、お祝い会での写真が飾っており
ソファに座り、足を組む、金髪と黒メッシュの女はそれを見て。
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
「フッ」
懐かしむように、静かに笑っていた。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : カチャりと、ライターを鳴らし、咥えた煙草に火を点け。
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
「あの件で、みとりの探偵としての捜査能力と
あとは……解決力、交渉力、その他諸々の高さは知れた」
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
フゥゥーーー……。と、白煙を吹かせながら。
灰色の髪の少女へと、赤の瞳を向け。
[メイン2]
柳 みとり :
「……ふふ、ありがとうございます
虎子さんたちとの協力あってこそ、なのもありますけどね」
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
テーブルには─────龍造寺組に纏わる、調査情報資料が並べてある。
これは、虎子が調査した物ではなく。
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
「久語も、夢見も頑張ってたしな
アイツらは、アタシの想像以上の器を持ってるよ」
ソファに凭れ掛かりながら。
[メイン2]
柳 みとり :
片手にファイルを携えながら。
これは、楽しげな写真が入ったもの────ではない。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : そうして、煙草を指で挟み。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 「…………首尾は、どうだい」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : ほんの少し、低い声でそう告げる。
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
「……ウチの兄貴は、そろばん弾くのが得意な奴でな
……全く尻尾を見せる気配がねぇ」
[メイン2]
柳 みとり :
何の変哲もないビル、店から出ていく人々。
まるで隠し取られたような写真たち。
[メイン2] 柳 みとり : 「進んではいますが……牛歩、ですね」
[メイン2] 柳 みとり : こくり、と頷く。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : みとりの見せる写真へ、視線を向け。
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
「……ん、そうかい…… ……みとりの力を持ってしても難しい、か
いや、ありがとうな、長いこと付き合わせちまって」
[メイン2]
柳 みとり :
「龍造寺組と密接に繋がるカルト集団────
この二つを線でつなげるには、まだ時間が掛かりそうです」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 残念そうな表情を浮かべながら、にへらと笑みを向ける。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : そしてみとりの言葉に、こくりと頷く。
[メイン2]
柳 みとり :
その言葉に、眉が下がり。
手持無沙汰にカメラを撫でながら。
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
「だが、人攫いの噂が裏で絶えねェ教団との繋がりは
─────"確実"に、ある」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 灰皿に、煙草を押し付け。
[メイン2] 柳 みとり : 虎子の赤色の瞳に、頷く。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 「こんなオカルトじみた調査は、やっぱお前にしか頼めねぇ案件だ」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 「今後も、よろしく頼むぜ、探偵さん」
[メイン2]
柳 みとり :
「まるで魔法でも使ったかのように、人が消え、攫われている……
……その確証を掴めないというのは、霊専門探偵として歯がゆいことですが」
[メイン2] 柳 みとり : こくり、と頷き。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : ……ああ。日本の警察ってのは、無能じゃねーんだ。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 行方不明事件が起こりゃ、早い段階で犯人の目星は着く、が─────。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : そもそも、その事件そのものが無かったかのように、隠蔽されていやがる。
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
「………にしても」
足を組み替え。
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
「みとりってのは、なんでオカルト専門探偵事務所を開いたんだ?
普通の探偵として活動してりゃ、もっと稼げたんじゃねーのか?」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : ふと思った、唐突な疑問をぶつける。
[メイン2] 柳 みとり : 「いい質問ですね、ワトソンくん」
[メイン2] 柳 みとり : ふふっと笑い、指を一本立てる。
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
実際、みとりという少女は、探偵として考えた場合は
その力量は、才能レベルで高いと言える。
十分に、その身一つで食っていけると、アタシは睨んじゃいるが。
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
「………ヘッ、ホームズ気取りってか?」
へらへらと笑いながら。
[メイン2]
柳 みとり :
「あはは、そんな所です
まあとはいえ……元々、ホームズにすらなる気もなかったんですけどね」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : ふぅん?と興味深げに小首を傾げ。
[メイン2] 柳 みとり : 灰色の髪を、指でくるくると回して。
[メイン2] 柳 みとり : 「この世は、人の想像以上に摩訶不思議であふれている、と睨んでいます」
[メイン2]
柳 みとり :
「霊であったり、今回の寄生生物であったり……
そういった、人を越えるナニカが、この世界の裏に潜んでおり、彼らの気分次第で……裏に引き込まれる、と」
[メイン2] 柳 みとり : カメラを持ち上げ、そのレンズ越しに虎子を見つめる。
[メイン2] 柳 みとり : 「私の両親は────現在、行方不明です」
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
「…………………」
眉を顰めながら、悲しげな瞳を向ける。
[メイン2]
柳 みとり :
「行方不明というのは厄介ですよね。
生きているかも死んでいるかもわからない……死体さえ残っていれば、ケリも付けられるんですが」
[メイン2] 柳 みとり : あはは、と苦笑いをした後。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 「……辛いことを、思い出させちまったみたいだな、悪い」
[メイン2] 柳 みとり : その様子に、みとりは慌てて両手を振る。
[メイン2] 柳 みとり : 「いえいえ、虎子さんが私に相談した時も……似たような気持ちでしょうから」
[メイン2]
柳 みとり :
謎が起きているのに、その謎を解くことが出来ない。
その歯がゆさ、苦しさ。
[メイン2]
柳 みとり :
「……虎子さんが私に依頼したように。
オカルトでしか解けない謎は、必ず存在します」
[メイン2]
柳 みとり :
「ですから────オカルト専門探偵として!
真実をこのカメラに収めるために、私は今も活動しているんですよ」
[メイン2] 柳 みとり : パシャリ。
[メイン2] 柳 みとり : フラッシュがたかれる。
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
「………フッ」
笑みが、零れる。
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
「ああ、この世には……人の考えじゃ説明し切れねぇ謎が
ごまんとあるかもしれねぇってのは……アタシも、そうなんだろうなって
この前の件を終えた今、明確な考えになりつつある」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 「─────みとりは、言ってたな?」
[メイン2] 柳 みとり : レンズから顔を外し、じっと虎子を見つめる。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 「真実を追求する探偵として、一番の恐怖は」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 「─────何もわからないこと」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 足を組み替え。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 「………"極道"も、同じだ」
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
「臭い物に蓋をしたまま、己が都合の良いものだけを見る
……そんなのは、極道じゃねぇ」
[メイン2]
柳 みとり :
ふむ、と。
カメラをテーブルに置き、じっと虎子を見つめる。
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
「アンタならやっぱ、信頼できそうだ」
ニッ、と笑う。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : そうして、カメラを指差し。
[メイン2]
柳 みとり :
「……こちらこそ、ですよ」
軽く微笑んで。
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
「─────特別だ、しっかりとアタシの生き様、映しな
アンタの、ワトソンとなる女が、そこに映っている」
[メイン2]
柳 みとり :
事実、彼女の精神力、体力、情熱。
どれを取っても、探偵を続けるのに必要なものだ。
彼女が疑問に思った事件は、謎だらけの不可解。
[メイン2] 柳 みとり : しかし────それに折れず、立ち向かっている。
[メイン2] 柳 みとり : こくり、頷き。
[メイン2]
柳 みとり :
「では、お言葉に甘えて……
極道の虎たる証、しっかりとこのフィルムに焼き付けてください」
[メイン2]
柳 みとり :
シャッターチャンス。
魚眼レンズの中には、一人の少女が映る。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : しかしそれは、真っ暗になる。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 虎子が手を翳したからだ。
[メイン2] 柳 みとり : 「……へっ?」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 「アンタの生き様も刻んでこそ─────」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : そうして、みとりの腕を掴み、そのままカメラの向きを変える。
[メイン2] 柳 みとり : 突如暗くなったレンズに、ぱっと顔を放せば。
[メイン2] 柳 みとり : 「わわ、わわっ」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : そのまま、肩を組み、顔を近づけ、魚眼レンズに注目し。
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
「ほーれ!スマイルだろぉ~?」
ニッ、と笑い。
[メイン2] 柳 みとり : 「……っ!」
[メイン2] 柳 みとり : 「な、はっ、なぁっ……!?」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : パシャッ。
[メイン2] 柳 みとり : ふにゃりとした顔がレンズに映り。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 満面の笑みの虎子と、慌てた様子のみとりのツーショット写真が出来上がる。
[メイン2] 柳 みとり : 顔は咄嗟の緊張で薄らと赤くなる。
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
「……くくく……!あはははははは!!」
楽しそうに、大笑いする。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : ああそうか、これが、"友達"、か。
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
─────小さい頃からずっと箱入り娘だったアタシだったが。
へへ、こういうのも……悪か、ねぇな、ほーんと。
[メイン2]
柳 みとり :
「ちょっ、ちょっと、虎子さんっ……!!」
被写体の経験などなかった。だからこそ、これには声を上げて抗議する。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 「いいだろ~?あん時めっちゃアタシを撮ってたお返しだ!」
[メイン2]
柳 みとり :
とは言いつつも、本気ではなく。
薄らと笑みを浮かべつつ。
[メイン2]
龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) :
「ちゃーんとアタシは、覚えてろ?つったぜ~?」
ニヤリと笑いながら。
[メイン2]
柳 みとり :
「……っ……それはぁ……」
[メイン2] 柳 みとり : 言い返せず、むっと唇を尖らせて。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : そんなみとりの様子に満足し。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 「─────んじゃ、みとりはまた、次の"仕事"があるんだろ?」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 踵を返し、首だけ少し振り向かせながら、ポッケに手を入れる。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 「アタシらの進む道は、"茨"だ」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : 「何かあったら、アタシに遠慮なく連絡しな、すぐに駆け付けるよ」
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : そう言い、手を軽くひらひらとさせながら、事務所を後にしようとする。
[メイン2]
柳 みとり :
「……ああ、そうですね
この仕事は大がかりなものになりますが、必ず達成してみせますよ」
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柳 みとり :
「もしかしたら、別の仕事で呼ぶかもしれませんしね」
とくすり、と笑い。
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柳 みとり :
「もし、全ての事件が片付いて……解決したなら
その時は、しっかりと虎子さんのお店、教えてくださいよ?」
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柳 みとり :
手を振る彼女に、少しばかりの意地悪をして。
彼女の仕事は知っているが、どこで働いているかは知れていないのだ。
[メイン2] 龍造寺 虎子(りゅうぞうじ とらこ) : ……そ、それは……善処善処……。
[メイン2] 柳 みとり : そして、彼女の後を追い、外に出る。
[メイン2] 柳 みとり : じりじりと光る太陽に、真っ青に晴れた青空が爽快としている。
[メイン2] 柳 みとり : ああ、今日は絶好の撮影日和。
[メイン2]
柳 みとり :
私達は、まだワトソンでもホームズでも。
名探偵にもなれてすらいないかもしれないが。
[メイン2]
柳 みとり :
それでも────この事件は。
確かな一歩を踏み出せた、そんな日だった。
[メイン2] 柳 みとり :
[メイン2] 柳 みとり : パシャ。
[メイン2] 柳 みとり :
[メイン2] 柳 みとり :
[メイン2] 柳 みとり :